自立式それとも非自立式?雪中キャンプにはどんなテントがおすすめ?

真っ白な雪面の上にテントを張り、しんしんと静かに降り積もる雪の中で焚火を楽しむ・・・雪中キャンプならではの楽しみですね。雪中キャンプでは、積雪の状態や降雪量により設営の仕方や注意することが変わります。ここでは、雪の状態を踏まえた雪中キャンプにおすすめのテントの形状と、その理由について解説します。

降雪時のキャンプはドーム型やかまぼこ型がおすすめ!

一晩でかなりの降雪(目安は10cm以上)が見込まれるときは、ティピー型(ワンポールテントやパップテントを含む)は避けたほうが無難です。

理由は、ティピー型の場合、屋根に積もった雪が斜めに滑り落ちてテントの裾部分にたまっていくので、降雪量が多いときは以下の問題が発生するからです。

  • 雪の重みでテントの壁が内側に押し込まれ、最悪の場合ペグが抜けて倒壊する恐れがある。
  • 雪が斜めに堆積するため、ペグの位置がわからなくなり、撤収時に大量の雪を除雪しなければならなくなる。

もし、降雪時にティピー型のテントを使用する場合は、以下のような対策をとるとよいでしょう。

  • テントの裾に雪がたまりすぎないように、時々テントの裾に積もった雪を取り除く。
  • ペグの目印にするために、設営時に雪に埋まらないぐらいの長さの棒をペグの位置に立てておく。

雪上キャンプ(積雪量が多いとき)には自立式がおすすめ!

ペグが地面に届かないぐらい積雪量が多い場合は、自立式のテントがおすすめです。

通常の細いペグは、雪に立てても力がかかると雪を切り裂きながら抜けてしまうため使えません。

代わりに、雪の質や雪の深さに応じて、①幅の広い雪・砂用のペグを雪に立てて使う、②雪を掘ってロープのついた棒を横向きに埋めてペグの代わりにする(以下「埋設ペグ」と呼びます)などの手段を使ってペグを設置する必要があります。これらの方法で適切な位置に必要な強度できちんとペグを設置するにはある程度慣れが必要です。そのため、雪上キャンプの設営に慣れるまでは、ペグ設置の難易度が低い自立式のテントがおすすめです。

自立式のテントは、非自立式のテントに比べて、以下の利点があります。

  • ペグに荷重がかかりにくく、万一ペグが抜けても倒壊しにくい。
  • ペグの位置が多少ずれても、たるまずにピンと張れる。
  • 特定のポールに荷重が集中しないので、ポールが雪に沈まないようにする対策が必要ない。

もし、非自立式のテントを雪上に設営する場合は、以下の点に注意するとよいでしょう。

  • 埋設ペグを使うときは、ペグの効きは埋設する深さで調節する。
  • 埋設ペグを使うときは、斜めに引っ張られることを考慮して、通常のペグの位置より少し外側に埋設する。
  • 荷重がかかるポールの下には、小さい板を敷くなどして、ポールが雪にめり込んで倒壊するのを防ぐ。

雪上キャンプ(積雪量が少ないとき)では非自立式は少し工夫が必要

ペグが地面に届くぐらい積雪量が少ない場合は、長めのペグを使えば、どのようなタイプのテントでも普通に設営することが出来ます。ただし、非自立式のテントの場合、以下のようなちょっとした工夫が必要になります。

  • ペグが雪面より下になる場合は、短いロープを使って、テント側の留め具の長さが足りなくなるのを防ぐ。
  • 荷重がかかるポールの下には小さい板を敷くなどして、ポールが雪の中にめり込んで倒壊するのを防ぐ。

雪に慣れていない人には少々難易度が高くなる雪中キャンプですが、ポイントを押さえて必要な準備をしておけば、カッコよく設営・撤収できるようになります。是非十分な準備をして雪中キャンプの特別な時間を満喫してください。

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