Vol 13.2 ~よく似たスミレの名前を当ててみよう~

小板まきばの里通信

4月半ば、ヤマザクラが咲き始めて山のあちらこちらがほんのりとピンクに染まり出します。少し前に歌 の練習を始めたウグイスも、少しづつウグイスらしく鳴けるようになってきました。木々も早く紅葉する 木から次々に若葉を出して、里山は一気に春らしさが増していきます。地面のあちらこちらにはいつの まにか小さな野草の花畑が出来ています。黄色いタンポポ、白いタネツケバナ、紫色のカキドオシや ムラサキサギゴケなど。他にも薄紫のタチツボスミレやオオタチツボスミレ、白いニョイスミレなどのスミ レの仲間もたくさん咲いています。タチツボスミレとオオタチツボスミレの花は大きさがちがうものの 葉っぱの形も花の色もよく似ていて見分けるのが難しいのですが、花びらの後ろに突き出している距 (キョ)と呼ばれる部分の色で区別することが出来ます。距の色が薄紫色なのがタチツボスミレ、白色 なのがオオタチツボスミレです。スミレの距の色をくらべて、スミレの名前を当ててみましょう。

Vol 13.1 ~食べられる野草を探してみよう~

小板まきばの里通信

4月、日中の気温が 20℃近くになると、ウグイスが鳴き始めます。山肌のところどころに白くみえるのは タムシバの花。キャンプ場周辺ではこの花がさいてしばらくするとヤマザクラが咲き始めます。足元で は雑草たちがぐんぐん育ち始め、地面が緑に変わっていきます。背が低い雑草たちは他の草が育つ 前にと大急ぎで小さな花を咲かせます。菜の花に似た白い花のタネツケバナ、少し厚みのある楕円形 の葉の間に白い花をつけているのはオランダミミナグサ、丸い葉の上に紫色の花を咲かせているのは カキドオシです。カキドオシの葉はもむとシソのような香りがしますが、昔は乾燥してお茶にしたりゆで てお浸しにしたりして食用にしたのだそう。他にもツクシやヨモギ、タンポポ、イタドリ等も食べられる野 草です。キャンプ場の周辺を散歩しながら食べられる野草を探してみましょう。

Vol 13 ~フキノトウをさがしてみよう~

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3月になると日差しが一気に春めいて、雪もどんどん解けて地面が顔を出します。里山に春が来たの を告げるのは、「デーデポッポポ」と鳴くキジバトや「フィフィフィ」と鳴くゴジュウカラ、「カララララ」と木を たたいて縄張りを主張するアカゲラ等の鳥たちです。天敵が活動する前の水が冷たいうちに卵を孵す 作戦のヤマアカガエルは「クプププ、クプププ」とかわいい声で春が来たことを教えてくれます。植物で 春を告げるのは、山の斜面で小さな黄色いリボンのような花びらの花を咲かせるアテツマンサク、雪 が解けたばかりの地面からきれいな黄緑色の球形の花をのぞかせているフキノトウです。実はフキノ トウには雄株と雌株があって、花が白っぽくて指でつまんで柔らかければ雌株、花が黄色っぽくて指で つまんで硬ければ雄株なのとか。また、キャンプ場の周辺には、直径が 3cm程の山フキのフキノトウ のほかに直径が5cm程もある普通のフキのフキノトウも咲いているので探してみましょう。

Vol 12.2 ~動物の足跡を探そう~

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12月、寒波がやってくるとキャンプ場周辺の里山は一面の雪景色に変わります。雪の上にはそこを歩いた動物の足跡がくっきりと残るので、普段は気配を感じることのできない動物たちの活動を身近に感じることができます。キャンプ場の周辺のあちらこちらにノウサギやタヌキ、キツネなど里山に住むいろいろな動物の足跡が残されています。大きな後ろ足の跡が並んでついているのはぴょんぴょん跳ねるウサギ、胴体で掘った雪の溝の中に蹄の跡があるのはイノシシ、小さくて爪の跡がはっきり残っているのはイタチです。タヌキとキツネはどちらも犬によく似た肉球の形がわかる足跡ですが、足跡がほぼ一直線に並んでいるのがスリムなキツネ、足跡が左右に開いているのがずんぐり体形のタヌキです。雪の里山でいろいろな動物の足跡を探してみましょう。

Vol 12.1 ~落葉樹の冬芽を探そう~

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冬、葉をすっかり落として枯れたように見える落葉樹の木々も、冬芽の中に花や葉の元を作って春への準備を整えています。多くの落葉樹は冬芽の外側を芽鱗(ガリン)と呼ばれる殻で包むことで芽を冬の寒さや乾燥から守っています。芽鱗の形や枚数は木によって様々。ネコヤナギの芽鱗は1枚のトンガリ帽子のような形で、芽鱗を押し上げて下から綿毛が出てくる様は帽子を脱いでいるかのよう。モクレン科のコブシやタムシバの芽鱗は毛皮のような毛がびっしりはえていて見るからに温かそうです。ホオノキは何枚かの細長い芽鱗で大きな長い冬芽を包んでいます。レンゲツツジは小さな芽鱗が魚の鱗のように幾重にも重なってつぼみの冬芽を守っています。また、ヤマボウシのように芽鱗の代わりに硬い葉が芽を守る役割をしている木もあります。木によっていろいろな形で寒い冬をのりこえようとしている落葉樹の冬芽を探してみましょう。

Vol 12 ~緑のまま冬越しする草をさがしてみよう~

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11月も半ばを過ぎると、朝晩が一段と冷え込むようになり、毎日のように霜が降り始めます。木々の葉はすっかり落ちて、夏に青々と茂っていた草は枯れ、一面枯葉色の景色になります。しかし、地面をよく見ると枯れずに青い葉を元気に茂らせている草があるのに気が付きます。これらの草はどうして霜が降りても凍らずにいられるのでしょう? 普通の植物は氷点下にさらされると細胞内の水が凍って体積が増え、細胞が壊れて枯れてしまいます。緑の葉のまま冬越しをする植物は細胞内が凍らないようにするために、気温が 0℃近くになり始めると細胞内に糖を蓄えていきます。糖の濃度が高い水は凍りにくいため、氷点下で細胞内の水が凍って壊れるのを防いでくれるのです。寒いところで育った冬野菜が甘くておいしいのはこの仕組みのおかげなんですね。緑の葉をつけたまま冬を乗り越えようとしている草たちを探してみましょう。

Vol 11.3 ~紅葉した木の葉の色を比べてみよう~

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10月後半になるとキャンプ場周辺の山䛿いよいよ紅葉のピークを迎えます。紅葉した葉の色䛿黄色 やオレンジ、赤、紫など、木の種類でそれぞれ違う色になりますが、よく見ると同じ木にもいろいろな色 の葉がついています。なぜこのようないろいろな色に変わるのでしょう? 黄色䛿ニンジンに含まれる βーカロチンの仲間のカロチノイドという黄色い色素の色です。もともと葉に 含まれている色素が、クロロフィルという緑の色素が分解して薄くなる事で黄色くなっていきます。赤䛿 光合成で作られた葉の中の糖から日光と酵素の働きでアントシアニンという赤い色素ができる事で赤 くなると考えられています。紫䛿緑の色素が分解する前に赤い色素ができることで2つの色が混ざっ た紫色になるのだとか。いろいろな色素のバランスでいろいろな色に変わっていく木の葉の色を比べ て見ましょう。

Vol 11.2 ~赤や青の木の実を探してみよう~

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10月、最低気温が8度を下回ると紅葉が一気に進みだし、3週間程で紅葉䛾ピークを迎えます。いろ いろな木䛾実も鳥たち䛾目を䜂こうと鮮やかな色に色づきます。赤い実䛾代表䛿、どっさり実をつける カンボク。下向きにぶら下がった赤やピンク䛾実䛾中からオレンジ䛾種が飛䜃出す䛾䛿ニシキギ科䛾 マユミやコマユミです。ズミ䛾赤い実䛿すぐに䛿鳥に食べられず、冬䛾小鳥たち䛾大切な食料になる ようです。青い実䛾代表䛿サワフタギ。ノブドウ䛾実䛿青や紫等いろいろな色になってきれいですがそ 䛾実䛿ヤマブドウと違ってまずくて食べられません。食べられる䛾䛿ブルーベリーと同じツツジ科スノ キ属䛾アラゲナツハゼ䛾実。「酢䛾木」属というだけあって酸っ䜁い味です。そ䛾うち鳥たちに食べら れてしまう赤や青䛾木䛾実を探してみましょう。

Vol 11.1 ~地面に落ちている木の実を探してみよう~

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9月半䜀を過ぎるとキャンプ場周辺䛾里山䛿実り䛾秋を迎えます。今年䛿クリ・ドングリが大豊作、あ ちこちで地面におちたたくさん䛾実を見つけることができます。大規模林道にあたらしいクリ䛾イガが おちていれ䜀そ䜀に䛿小さなクリが落ちています。皮がてかてかと光っているも䛾が落ちて間もない 新鮮なクリ、拾ったクリを焚火等で焼くとき䛿爆発しないように皮に空気抜き䛾傷をつけてから焼きま しょう。長さが約1.5cm䛾コナラ䛾ドングリ䛿キャンプ場内䛾ドングリ1やヤマザクラ3䛾区画䛾そ䜀で 見つけられます。長さが 3cmほどもある大きなミズナラ䛾ドングリ䛿ひょうたん山䛾遊歩道に、先が4 つに裂けた殻に入ったブナ䛾実䛿恐羅漢ビューポイント付近に落ちています。地面に落ちて冬越しす る動物たち䛾大事な餌になるいろいろな木䛾実を探してみましょう。

Vol 11 ~個性的な形の木の実を探してみよう~

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お盆を過ぎると山里には一足早く秋の気配が漂ってきて、真っ先に紅葉するヤマザクラやマユミの木 は少しづつ葉の色が変わり始めます。このころになるといろいろな木々の実が目立つようになってきま す。その中には一風変わった実をつけるものも。勾玉を1つ~3つひっつけたような形をしているのは ツノハシバミ。ヤマガラという小鳥の大好物です。丸いてまりを糸でぶら下げたような実をつけている のはツリバナ。熟すとてまりが割れて中から鮮やかなオレンジ色の種が飛び出してきます。機雷のよう な突起が付いた丸い実を上向きにつけているのはヤマボウシ。赤く熟した実はかつて子供たちのおや つでした。一度見たら忘れられない個性的な姿をした木の実を探してみましょう。

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