Vol 8.1
~常緑広葉樹を探してみよう~

小板まきばの里通信

12月になると、キャンプ場から見える山の落葉樹の葉はすっかり落ちて、残った緑の殆どは杉 や赤松等の針葉樹になります。広島市周辺等の標高の低い場所も12月後半には落葉を迎えます が、落葉後の山を比べてみると標高の低い場所のほうが緑が多いことに気が付きます。標高の低 い場所には、針葉樹の他にカシやクスノキ、タブノキなどの常緑広葉樹の高木が冬でもこんもり と緑の葉を茂らせているのです。積雪が多く気温が低いキャンプ場の近くでは、寒い中で葉を維 持するのが難しいので、背が高い常緑広葉樹は育ちません。しかし林の中を見てみるとエゾユズ リハやミヤマオモトなど背の低い常緑広葉樹の木があちらこちらにあることに気づきます。これ らは落葉した木の下で光合成をしながら、意外と暖かい雪の下で冬を乗り切れるように、雪に埋 まるくらいの高さ以上にならないという選択をした常緑広葉樹たちなのだとか。落葉後の季節だ からこそ見つけやすくなる常緑広葉樹を探してみましょう。

Vol 8
~草のロゼットを探してみよう ~

小板まきばの里通信

11月半ばを過ぎると、木々の葉もほとんど落ちて里山は冬枯れの景色に変わっていきます。 地面も一見枯草だけになってしまったように見えますが、よく見ると地面のあちこちに張り付く ように広がった緑の草を見つけることができます。円形に広がった葉が踏まれてぺちゃんこに なったようなこの姿は、バラの花の形を意味する「ロゼット」と呼ばれる形態で、いろいろな草 がこの形で冬越しをします。この形なら、真冬でも約4°Cで安定している雪と地面の境界に生え ているため大事な芽や葉が凍る心配はありませんし、雪の重みで茎や葉が折れたり曲がったりす るのも防げます。また、緑の葉のまま冬を越すことで、雪解け後に他の植物に先駆けて成長を始 めることができるのです。キャンプ場周辺では積雪の前後にしか見られない草のロゼットを探し てみましょう。

Vol 7.3
~紅葉の色の違いを比べてみよう ~

小板まきばの里通信

11月に入るとキャンプ場周辺は紅葉の見ごろの季節を迎えます。紅葉は最低気温5度以下の晴 れた日が数日続くと一気に進み始めます。コナラやブナの葉が黄色に変わるのは、葉に含まれて いる緑の色素(クロロフィル)と黄色の色素(カロチノイド、人参の色素のβーカロテンの仲 間)のうち、緑の色素の分解が早く進むため、残った黄色の色素が強くなって黄色に色づくのだ そう。カエデやウルシの葉が赤色に変わるのは、日光があたることで葉に残った糖と酵素が反応 して赤色の色素(アントシアニン、リンゴやブドウの皮の色の色素)が作られるためなのだとか。 そのため赤く紅葉する木の葉でも日光が十分当たらない場所では黄色になったりします。木の種 類や日の当たり具合でいろいろな色に色づいて野山を彩る木々の葉たち、どんな色があるのか 葉っぱの色の違いをくらべてみましょう。

Vol 7.2
~大変身した草花の種を探してみよう ~

小板まきばの里通信

10月、朝晩の冷え込みが厳しくなり始めると、草木は大急ぎで種を実らせて子孫を残そうとし ます。その中には花からは想像がつかないような姿の種をつけるものもあります。薄紫の目立た ない花のツルリンドウは、直径約1cmと意外に大きな鮮やかなワイン色の種ができたとたんに目 につくようになります。緑色から黄色、オレンジ色に変化するカラフルな粒々がきっしりと茎の 先端に固まってついているのはマムシグサ。黒っぽい筒状の花のどこからこんな種が出てきたの かとびっくりします。長さが10cm程もある赤いナスのような形をした実がいくつもぶらさがっ ているのはツチアケビ。黄色と黄土色の地味な花からは想像もつかない姿です。この季節ならで はの花の姿から大変身した草花の種を探してみましょう。

Vol 7.1
~秋の木の実を探してみよう~

小板まきばの里通信

9月の後半になると一足早くマユミやヤマザクラの葉が黄色やオレンジ色に紅葉します。本格的 な紅葉シーズンになる直前のこの季節は、いろいろな木の実の実りの季節。つややかな赤い実が 集まってぶら下がっているコバノガマズミ、小さな赤い実がぽつぽつついているのはオトコヨウ ゾメ、1cm程のリンゴのような赤い実はズミ、高い枝の上に赤い実がどっさり房になっているの はナナカマドです。直径2cm弱の赤黒い実が上向きになっているのはヤマボウシ、直径5cm程の 楕円形の実が木に巻き付いたツルからぶら下がっているのはアケビ、ブルーベリーに似た小さな 実が並んでついているのはナツハゼ、これらは食べられる実で昔は里の子供たちのおやつでした。 緑色でトンガリ帽子のような形をしたツノハシバミの実は、お腹がオレンジ色のかわいい小鳥ヤ マガラの大好物です。秋が深まるにつれて小鳥たちに食べられてなくなってしまう木の実たちを 小鳥になったつもりで探してみましょう。

Vol 7 ~植物の名前の由来を調べてみよう~

小板まきばの里通信

標高が高い当キャンプ場周辺には一足早く秋がやってきます。9月は秋に咲く草花が冬が来る前 に子孫を残そうと次々と咲いてキャンプ場を彩ります。洗い場の前にはピンク色のコンペイトウ のようなかわいい花の花畑ができていますが、これはミゾソバとアキノウナギツカミの花です。 ミゾソバは「溝に咲くソバに似た草」で見た通りの名前なのですが、アキノウナギツカミは「茎 にびっしり生えている小さなトゲでぬるぬるするウナギでもつかめそう」という意味なのだとか。 また三角山にたくさん咲いているミヤマママコナは、漢字では「深山飯子菜」と書きますが、 「山に咲く、(下側の花びらに)飯子(ご飯粒)が引っ付いているような草」というのがその名 の由来。誰が考えたのかは知りませんが、植物の特徴をよくとらえた名前だなぁと感心します。 面白い名前の植物に出会ったら、名前の由来を調べてみましょう。

小板まきばの里通信VOL6.2 ~虫の声に耳をすませてみよう~

小板まきばの里通信

お盆を過ぎると、キャンプ場周辺には秋の気配が感じられるようになりま す。日中あれほど元気に鳴いていたヒグラシやアブラゼミに変わって、ミ ンミンゼミやツクツクボウシの声が聞かれるようになりました。日が沈み、 セミたちが鳴くのをやめてから聞こえてくるのはバッタたちの声。鳴く バッタの代表、スズムシの声は「リーンリーン」、マツムシの声は 「チッ・チリン」と聞こえます。「コロコロコロ・リーリーリー」と鳴く のはエンマコオロギ、「ジーーーッジーーーッチョン」と鳴くのはキリギ リス、「ルルルルルル」と鳴くのはカンタンです。あちらこちらから聞こ えてくるいろいろな虫の声を、耳をすませて聞いてみましょう。

小板まきばの里通信VOL6.1 ~日本最大のトンボ、オニヤンマを観察しよう~

小板まきばの里通信

夏本番を迎えると、当キャンプ場内にも日本で一番大きなトンボ、オニヤンマが飛び回るように なります。オニヤンマの主食はハエやアブなど。ありがたいことにキャンプ場にいてほしくない 虫を空中で捕まえてどんどん食べてくれるのです。いつも高速で飛んでいるのでじっくり観察す るのは難しいですが、以下のタイミングなら観察できるかもしれません。①朝夕の涼しい時間帯 にエントランス周辺の木陰の水路や小川に沿ってパトロールをします。その最中に製材機の横に 張ってあるロープで羽を休めることがあります。②水路や小川でホバリングしながら産卵してい ることがあります。③回転するものが好きらしく、まれにテント内で使っている扇風機の前でホ バリングすることがあります。これらのタイミングに出くわしたらじっくり観察してみましょう。

小板まきばの里通信VOL6 ~自宅近くで見かけるセキレイを調べてみよう~

小板まきばの里通信

キャンプ場の近くで「チチン、チチン」という鳥の声が聞こえたら、それはキセキレイの鳴き声 です。灰色の背中に黄色いお腹、長いしっぽを忙しく上下に振りながら歩く姿が特徴のこの鳥は, 6月の終わりに子育てが終わったばかり。キャンプ場の周辺でもお腹の色が黄色になりきってい ない幼鳥の姿を見ることができます。ところでセキレイの仲間は街の近くの水辺でも普通に見ら れる鳥ですが、実は川の上流、中流、下流でそれぞれ違う種類のセキレイが棲み分けしています。 上流に棲むのはお腹が黄色いキセキレイ、中流に棲むのは黒い顔で目の上に白い線があるセグロ セキレイ、下流に棲むのは白い顔で目の近くに黒い線があるハクセキレイです。自宅近くで見ら れるセキレイがどのセキレイか調べてみましょう。

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