Vol 12.2 ~動物の足跡を探そう~

小板まきばの里通信

12月、寒波がやってくるとキャンプ場周辺の里山は一面の雪景色に変わります。雪の上にはそこを歩いた動物の足跡がくっきりと残るので、普段は気配を感じることのできない動物たちの活動を身近に感じることができます。キャンプ場の周辺のあちらこちらにノウサギやタヌキ、キツネなど里山に住むいろいろな動物の足跡が残されています。大きな後ろ足の跡が並んでついているのはぴょんぴょん跳ねるウサギ、胴体で掘った雪の溝の中に蹄の跡があるのはイノシシ、小さくて爪の跡がはっきり残っているのはイタチです。タヌキとキツネはどちらも犬によく似た肉球の形がわかる足跡ですが、足跡がほぼ一直線に並んでいるのがスリムなキツネ、足跡が左右に開いているのがずんぐり体形のタヌキです。雪の里山でいろいろな動物の足跡を探してみましょう。

Vol 12.1 ~落葉樹の冬芽を探そう~

小板まきばの里通信

冬、葉をすっかり落として枯れたように見える落葉樹の木々も、冬芽の中に花や葉の元を作って春への準備を整えています。多くの落葉樹は冬芽の外側を芽鱗(ガリン)と呼ばれる殻で包むことで芽を冬の寒さや乾燥から守っています。芽鱗の形や枚数は木によって様々。ネコヤナギの芽鱗は1枚のトンガリ帽子のような形で、芽鱗を押し上げて下から綿毛が出てくる様は帽子を脱いでいるかのよう。モクレン科のコブシやタムシバの芽鱗は毛皮のような毛がびっしりはえていて見るからに温かそうです。ホオノキは何枚かの細長い芽鱗で大きな長い冬芽を包んでいます。レンゲツツジは小さな芽鱗が魚の鱗のように幾重にも重なってつぼみの冬芽を守っています。また、ヤマボウシのように芽鱗の代わりに硬い葉が芽を守る役割をしている木もあります。木によっていろいろな形で寒い冬をのりこえようとしている落葉樹の冬芽を探してみましょう。

Vol 12 ~緑のまま冬越しする草をさがしてみよう~

小板まきばの里通信

11月も半ばを過ぎると、朝晩が一段と冷え込むようになり、毎日のように霜が降り始めます。木々の葉はすっかり落ちて、夏に青々と茂っていた草は枯れ、一面枯葉色の景色になります。しかし、地面をよく見ると枯れずに青い葉を元気に茂らせている草があるのに気が付きます。これらの草はどうして霜が降りても凍らずにいられるのでしょう? 普通の植物は氷点下にさらされると細胞内の水が凍って体積が増え、細胞が壊れて枯れてしまいます。緑の葉のまま冬越しをする植物は細胞内が凍らないようにするために、気温が 0℃近くになり始めると細胞内に糖を蓄えていきます。糖の濃度が高い水は凍りにくいため、氷点下で細胞内の水が凍って壊れるのを防いでくれるのです。寒いところで育った冬野菜が甘くておいしいのはこの仕組みのおかげなんですね。緑の葉をつけたまま冬を乗り越えようとしている草たちを探してみましょう。

Vol 11.3 ~紅葉した木の葉の色を比べてみよう~

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10月後半になるとキャンプ場周辺の山䛿いよいよ紅葉のピークを迎えます。紅葉した葉の色䛿黄色 やオレンジ、赤、紫など、木の種類でそれぞれ違う色になりますが、よく見ると同じ木にもいろいろな色 の葉がついています。なぜこのようないろいろな色に変わるのでしょう? 黄色䛿ニンジンに含まれる βーカロチンの仲間のカロチノイドという黄色い色素の色です。もともと葉に 含まれている色素が、クロロフィルという緑の色素が分解して薄くなる事で黄色くなっていきます。赤䛿 光合成で作られた葉の中の糖から日光と酵素の働きでアントシアニンという赤い色素ができる事で赤 くなると考えられています。紫䛿緑の色素が分解する前に赤い色素ができることで2つの色が混ざっ た紫色になるのだとか。いろいろな色素のバランスでいろいろな色に変わっていく木の葉の色を比べ て見ましょう。

Vol 11.2 ~赤や青の木の実を探してみよう~

小板まきばの里通信

10月、最低気温が8度を下回ると紅葉が一気に進みだし、3週間程で紅葉䛾ピークを迎えます。いろ いろな木䛾実も鳥たち䛾目を䜂こうと鮮やかな色に色づきます。赤い実䛾代表䛿、どっさり実をつける カンボク。下向きにぶら下がった赤やピンク䛾実䛾中からオレンジ䛾種が飛䜃出す䛾䛿ニシキギ科䛾 マユミやコマユミです。ズミ䛾赤い実䛿すぐに䛿鳥に食べられず、冬䛾小鳥たち䛾大切な食料になる ようです。青い実䛾代表䛿サワフタギ。ノブドウ䛾実䛿青や紫等いろいろな色になってきれいですがそ 䛾実䛿ヤマブドウと違ってまずくて食べられません。食べられる䛾䛿ブルーベリーと同じツツジ科スノ キ属䛾アラゲナツハゼ䛾実。「酢䛾木」属というだけあって酸っ䜁い味です。そ䛾うち鳥たちに食べら れてしまう赤や青䛾木䛾実を探してみましょう。

Vol 11.1 ~地面に落ちている木の実を探してみよう~

小板まきばの里通信

9月半䜀を過ぎるとキャンプ場周辺䛾里山䛿実り䛾秋を迎えます。今年䛿クリ・ドングリが大豊作、あ ちこちで地面におちたたくさん䛾実を見つけることができます。大規模林道にあたらしいクリ䛾イガが おちていれ䜀そ䜀に䛿小さなクリが落ちています。皮がてかてかと光っているも䛾が落ちて間もない 新鮮なクリ、拾ったクリを焚火等で焼くとき䛿爆発しないように皮に空気抜き䛾傷をつけてから焼きま しょう。長さが約1.5cm䛾コナラ䛾ドングリ䛿キャンプ場内䛾ドングリ1やヤマザクラ3䛾区画䛾そ䜀で 見つけられます。長さが 3cmほどもある大きなミズナラ䛾ドングリ䛿ひょうたん山䛾遊歩道に、先が4 つに裂けた殻に入ったブナ䛾実䛿恐羅漢ビューポイント付近に落ちています。地面に落ちて冬越しす る動物たち䛾大事な餌になるいろいろな木䛾実を探してみましょう。

Vol 11 ~個性的な形の木の実を探してみよう~

小板まきばの里通信

お盆を過ぎると山里には一足早く秋の気配が漂ってきて、真っ先に紅葉するヤマザクラやマユミの木 は少しづつ葉の色が変わり始めます。このころになるといろいろな木々の実が目立つようになってきま す。その中には一風変わった実をつけるものも。勾玉を1つ~3つひっつけたような形をしているのは ツノハシバミ。ヤマガラという小鳥の大好物です。丸いてまりを糸でぶら下げたような実をつけている のはツリバナ。熟すとてまりが割れて中から鮮やかなオレンジ色の種が飛び出してきます。機雷のよう な突起が付いた丸い実を上向きにつけているのはヤマボウシ。赤く熟した実はかつて子供たちのおや つでした。一度見たら忘れられない個性的な姿をした木の実を探してみましょう。

Vol 10.1 ~夏のセミの声を聞いてみよう~

小板まきばの里通信

7月、気温が連日 30°Cを超えるようになると、急に夏のセミたちが鳴きだします。キャンプ場周辺で耳 をすませて聞いてみるといろいろなセミが鳴いている事がわかります。茶色い羽で「ジリジリ」と鳴くの はアブラゼミ、透明の羽で主に午前中に「ミーンミンミンミンミーン」と鳴くのはミンミンゼミ、夕方涼しく なってきた頃に「カナカナカナ」と鳴きだすのはヒグラシです。他にはこれらのセミより一回り小さいセミ もいます。木の皮のような模様の羽で「チーーーー」と小さく鳴くのはニイニイゼミ、透明な羽で「オー シーツクツク」または「ツクツクボーシ」と鳴くのは鳴き声がそのまま名前になったツクツクボウシです。 夏ならではのセミの声をじっくり聞いてなんのセミか当ててみましょう。

Vol 10 ~夏鳥の恋を応援しよう~

小板まきばの里通信

6月、キャンプ場周辺の緑は一雨ごとに濃くなって、夏が近いことを教えてくれます。そんな緑の山のあ ちこちから聞こえてくるのは夏鳥のホトトギスの仲間たちの声。「カッコウ」と鳴くのは鳴き声がそのまま 名前になったカッコウ、「テッペンカケタカ」と聞こえる声で鳴くのはホトトギス、「ポポン、ポポン」と紙筒 をたたくような声で鳴くのがツツドリです。これらのホトトギスの仲間の鳥は「托卵」をすることで有名で す。「托卵」とはウグイス等の別の種類の鳥の巣に卵を産んで、卵をその鳥に育ててもらうという習性 のこと。托卵をする理由はよくわかっていませんが、ホトトギスの仲間は体温が低くて卵を温めるのが 苦手だからという説が有力なのだとか。恋の相手が見つかるまで一生懸命鳴き続ける夏鳥のオスた ち、早く相手が見つかるように応援してあげましょう。

Vol 9.3 ~夜鳴く鳥の声を聞いてみよう~

小板まきばの里通信

ゴールデンウィークを過ぎると、キャンプ場の周辺では春の鳥の声に交じって夏の鳥の声が聞こえてく るようになり、里山は一段とにぎやかになってきます。ほとんどの鳥は日中だけ鳴くのですが、なかに は夜や明け方暗いうちに鳴く鳥もいます。「アーオー、オアオアオー」と鳴くのはその鳴き声が名前に なったアオバト。「キョキョキョキョキョ」と鳴くのはヨタカです。フクロウは「ホーホー」と鳴くと思われがち ですが、その鳴き方は「ホッホー、ホッホホッホー」ととってもリズミカル。一番鳥らしくない声が 「ヒュー、ヒュー」と細い口笛のような声で鳴くトラツグミ。その声の怪しさから妖怪「鵺(ぬえ)」と呼ばれ て不気味がられていたのだとか。でも声の正体が鳥とわかれば怖さは感じなくなりますね。鳴いている 鳥の姿を想像しながら夜鳴く鳥の声に耳を傾けてみましょう。

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