Vol 9.2 ~木の若葉を観察してみよう~

小板まきばの里通信

ヤマザクラの花が終わりに近づく 5月初旬になると、木々の若葉が一斉に芽吹きだします。キャンプ場 周辺の山々は色とりどりの新緑に覆われて、まるで紅葉したように美しい景色になります。このあたり の新緑の景色が美しいのには2つの理由があります。1つは中国山地がたたら製鉄のメッカだったこ と。製鉄に使う炭の原料となる広葉樹が大量に必要だったため、スギやヒノキの人工林が少ないので す。もう1つは標高が高く寒さに弱い常緑広葉樹の高木が少ないため、ほとんどすべての落葉広葉樹 がこの時期に一斉に芽吹くこと。近くで見ると若葉の色や形は赤いヤマザクラ、黄緑のクロモジ、白い ミズキ、むきバナナのような形のホオノキなど木によって様々です。散歩しながらこの季節にしか見ら れない個性的な木の若葉を観察してみましょう。

Vol 9.1 ~春本番の植物や生き物を探してみよう~

小板まきばの里通信

4月半ばを過ぎると、あちらこちらでヤマザクラが咲き始め、標高750mの山里もようやく春本番 を迎えます。道端には黄色く目立つタンポポの他に、白いタネツケバナやハコベ、水色のオオイ ヌフグリ、薄紫のタチツボスミレなどのよく見ないと見過ごしてしまう程小さな花々をみつける ことができます。水たまりではまだ寒いうちに産み付けられたヤマアカガエルの卵から孵ったた くさんのオタマジャクシが元気に泳いでいます。そして耳をすませると、巣づくり間近のキセキ レイの「チチンチチン」という声や、ひょうたん山で縄張りを主張するゴジュウカラの「フィ フィフィフィ」という声が聞こえてきます。春本番の山里を彩る植物や生き物たちを探してみま しょう。

Vol 9 ~春の訪れを告げる花を探してみよう~

小板まきばの里通信

3月半ばになると日中の気温は10°Cを超えるようになり、雪の下から地面が顔を出します。雪が 解けた直後は枯れ色一色だった地面も数日たつと少しづつ草の緑が見え始め、ぽつぽつと春を告 げる花たちが咲き始めます。残雪が残る中でいち早く咲いて冬の終わりを告げるのは、色鮮やか な黄緑色のフキノトウ、日陰の斜面で小さな白い花を咲かせるキクバオウレン、山の斜面でひっ そりと黄色い細いリボンで作ったような花をつけるアテツマンサクです。その後に続いて咲くの はピンクの花びらと紫のしべの色の取り合わせが和風なショウジョウバカマ、たくさん咲いたら その年は豊作になると言われる白い花のタムシバです。それらの花が終わる4月の終わりごろに ようやくサクラの春がやってきます。山里に春の訪れを告げる花を探してみましょう。

Vol 8.2
~足跡から動物の行動を想像してみよう~

小板まきばの里通信

雪が積もるとあちらこちらでいろいろな動物の 足跡を見つけられるようになります。特に新雪 が降り積もった翌朝は足跡を探す絶好のチャン ス。吹雪の間じっと雪が止むのを待っていた動 物たちが、狩りをしたり、食べ物を探したり、 ねぐらに帰ったりした様子が足跡として残って います。特徴的な足跡として知られているのが ノウサギの「止め足」。「止め足」はノウサギ が寝床を突き止められないために使う目くらま しの技で、進行方向から少し逆戻りをしてから 大きく横っ飛びして足跡を途切れさせます。真 新しい「止め足」を見つけたら近くでノウサギ が寝ているかも。雪の上に残されたいろいろな 足跡を探して動物たちの行動を想像してみま しょう。

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