Vol 12.1 ~落葉樹の冬芽を探そう~
冬、葉をすっかり落として枯れたように見える落葉樹の木々も、冬芽の中に花や葉の元を作って春への準備を整えています。多くの落葉樹は冬芽の外側を芽鱗(ガリン)と呼ばれる殻で包むことで芽を冬の寒さや乾燥から守っています。芽鱗の形や枚数は木によって様々。ネコヤナギの芽鱗は1枚のトンガリ帽子のような形で、芽鱗を押し上げて下から綿毛が出てくる様は帽子を脱いでいるかのよう。モクレン科のコブシやタムシバの芽鱗は毛皮のような毛がびっしりはえていて見るからに温かそうです。ホオノキは何枚かの細長い芽鱗で大きな長い冬芽を包んでいます。レンゲツツジは小さな芽鱗が魚の鱗のように幾重にも重なってつぼみの冬芽を守っています。また、ヤマボウシのように芽鱗の代わりに硬い葉が芽を守る役割をしている木もあります。木によっていろいろな形で寒い冬をのりこえようとしている落葉樹の冬芽を探してみましょう。
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