小板まきばの里は、大規模林道大朝鹿野線沿いの安芸太田町と北広島町の町境付近にあります。積雪期のこの道路は、町境を挟む3km強の区間(国道191号線からこの道に入ってきたときに小板まきばの里より奥のところ)が除雪されないため、通り抜けできません。
ところがこの区間、除雪されていないのにも関わらず、車高が高い悪路に強い車が通行したりするため、一見すると通れそうに見えるわだちができています。おまけにカーナビが国道186号線と国道191号線をつなぐ近道として案内するため、通行できると思って入ったものの途中でスタックして、ロードサービスの救援を要請するケースが後を絶ちません。
こんな日は救援要請が集中し、ロードサービスもなかなか来てくれません。さらに、除雪されていない道ではロードサービスの救援車も現地にたどり着けないため、その場合は大型除雪車や運搬車に積んだホイルローダーまで出動しての大騒ぎになることもしばしばです。
なお、JAFの救援の会員向け無料サービスの範囲は「一般道での引き出し作業30分以内」です。そのため、上記のような大部隊を繰り出しての救援になった場合は相応の追加料金を覚悟する必要があると思われます。
なぜさっきまで動いていた車が突然スタックしてしまうのでしょう?
スタックの最大の原因は、車の腹が雪につかえて、タイヤが地面につかなくなってしまうこと。特にUターンしようとわだちを外すと、とたんに車が動かなくなります。わだちができている道は、以下の図のように、わだちのところが圧雪された雪で一段高くなっています。
この図を見てもわかる通り、わだちを外すとタイヤが圧雪されていない雪の中に落ち込み、車の腹全体が雪に乗り上げた状態になってしまうのです。軽そうに見える雪も広い面積の雪を押しのけるにはブルドーザー並の力が必要で、こうなるといくらタイヤの下の雪を掘ってもタイヤは空転するだけ、前にも後ろにも進めなくなります。
スタックを避けるには除雪されていない道に入らないことが一番ですが、万一入ってしまったことに気が付いたら速やかに脱出しましょう。
まだスタックしていない場合は、向きを変えずにバックでわだちをはずさないように除雪されているところまで戻りましょう、
車の腹が雪につかえてスタックしてしまった場合は、自力脱出できない可能性が高いので、救援を呼びましょう。通常、救援がくるまでかなり時間がかかるので、救援を待つ間に自力脱出できないか試しましょう。まず車の下の雪を取り除いて車の腹がつかえていない状態にしてから、車を動かしてわだちの上に車を戻せるかを試します。運よくわだちの上に車が戻ったら、そのままの向きでもと来た道を戻りましょう。