星空観賞の勧め(2) ~流れ星を探すには~

暗い星空に糸を引くような軌跡を描く流れ星。流れ星を見つけるとそれだけで思わず歓声が上がります。せっかく星空を見るのでしたら、流れ星も見てみたいですよね。

流れ星を見るには、「星空観賞の勧め」で書いたように星が見やすい日や時間帯であることが大前提ですが、さらに流れ星が見つけやすい時期をねらうとみられる確率が上がります。

ここでは、流れ星を見つけやすい時期について解説します。

流れ星とは

流れ星(流星)とは、宇宙空間にある直径1ミリメートルから数センチメートル程度のチリの粒が地球の大気に飛び込んできて大気と激しく衝突し、高温になってチリが気化する一方で、大気や気化したチリの成分が光を放つ現象です。

流星群とは

彗星は、太陽の周りを周回している小天体の一種ですが、その軌道上には彗星から放出されたチリが帯のように漂っています(ダストトレイル)。彗星の軌道を地球が横切るときに、ダストトレイル内のチリが大気圏に突入して多くの流星が出現します。周期性のある流星群は毎年同じ時期に出現します。なかでも1月のしぶんぎ座流星群、8月のペルセウス座流星群、12月のふたご座流星群は3大流星群と呼ばれ、ピーク時には1時間あたり40個近くの流れ星が観測できます。

流れ星を見つけやすい時期を狙うには?

流れ星を見るのに最も適した時期は、流星群のピークです。流星群がピークになるときは、いろいろなサイトでいつ何時にピークになるか、月明りの影響はどうかなど、詳しい記事が掲載されるので、参考にするとよいでしょう。また、流星群のピーク時の前日や翌日もピーク時ほどではないものの多くの流れ星を見ることが出来ます。

さらに、流星群のピークでなくても、7月中旬~8月中旬、10月初旬~11月末は、複数の流星群の活動期が重なっているため、普段より多くの流れ星を見つけることが出来ます。どちらの時期も天の川と一緒に流れ星を楽しめます。以下のリンク先に主な流星群の活動期をまとめてあるので、流れ星を見る時期を検討するときの参考にしてください。

主な流星群の活動期

降るような流れ星を見るには?

まれに一時間に数百個、数千個の大量の流れ星が出現することがあります。まさに夜空に流れ星が降り注ぐ「流星雨」や「流星嵐」と呼ばれるもので一度は見てみたい光景ですね。

では、流星雨や流星嵐はいつ出現するのでしょうか?

流星群の元になっている彗星は、短いものでは数年、長いものでは数百年という周期で太陽の周りを一周しています。その軌道上のダストトレイルにはチリが濃い部分があるのですが、チリが濃い部分に地球が突入すると、大量の流れ星が出現するのです。

流星群のうち、元の彗星の周期が一番短い10月りゅう座流星群はおよそ13年周期で活動が活発化することが知られています。次に活動が活発化するのは2024年または2025年となりますが月明りが邪魔して肉眼ではよく見えないため、流星雨がみられる可能性があるのはその次の2037年ごろと予想されています。また、2番目に周期が短い11月のしし座流星群はおよそ33年周期で活動が活発化するため、次の流星雨を見られる可能性があるのは2033年~2037年ごろと予想されています。

2030年代には降るような流れ星の空を見られるかもしれません。その時を楽しみにしておきましょう。

参考:

国立天文台 流星群とは
流星電波観測国際プロジェクト 流星情報

error: Content is protected !!