スターリンク衛星(スターリンクトレイン)を見てみよう(2023年)

2023年10月現在、以下の記事「スターリンク衛星が見られる日時を調べるには?」で説明しているサイトで「視認性が良い、または普通」と予想されている場合でも、スターリンク衛星を見つけられない状態になっています。衛星が反射性の低いものに変更されたのが原因とか。
10月25日は「視認性が良い」予想、出現時間は日没から1時間20分後、満月4日前の明るい月という条件で、肉眼でかろうじて確認できました。同様の条件で月の影響が少ない日であれば、もう少しはっきり見ることができると思われます。

皆さんは「スターリンク衛星」という言葉をご存じでしょうか? 夜空を50個ほどの人工衛星が一列に連なって飛ぶ様が宇宙を進む列車の様に見えるので「スターリンクトレイン」とも呼ばれています。
2023年はこの「スターリンクトレイン」が頻繁に出現するため、観賞の大チャンスとなります。
この機会に観賞してみませんか。

(冒頭の写真は、当施設(小板まきばの里)の星空観賞会のときに撮ったスターリンク衛星の写真です。)

スターリンク衛星とは?

スターリンク衛星とは、ツイッターをXに改名したことで世間を騒がせているイーロン・マスク氏がトップを務める「スペースX」社が、地球の周りをたくさんの通信衛星で取り囲んで世界中のどこでも高速インターネット通信を可能にするサービスを実現するために大量に打ち上げている小型の人工衛星です。

スターリンク衛星は一つのロケットで一度に50基ほどが打ち上げられ、打ち上げられて数日間ぐらいはそれらが一列に並んで地球の周りをまわります。
それが夜空を横切る時、まるで宇宙列車が飛んでいるように見えるので「スターリンクトレイン」と呼ばれています。

スターリンク衛星はいつまで見られる?

スペースX社は当面12,000基のスターリンク衛星の打ち上げを計画しており、2023年8月時点ですでに5000基ほどの打ち上げが終わっているとのこと。
2023年は約50基をまとめて打ち上げる打ち上げが毎週1回のペースで実施されていて、目標数に達するまではこのペースでの打ち上げが続くと予想されています。そのためスターリンク衛星を見るなら2023年中に見るのがおすすめというわけです。

スターリンク衛星が見られる時間帯は?

スターリンク衛星のような人工衛星は自ら光を発していないため、月や惑星と同じように太陽の光を反射して光ります。
そのため、他の人工衛星と同じように、日没後や夜明け前の、地表では太陽が見えず夜になっているが、上空はまだ太陽の光に照らされているときに肉眼で見ることができます。
具体的には、日没後1時間~2時間、または日の出前2時間~1時間が、肉眼で衛星を見られる時間帯となります。

スターリンク衛星が見られる日時を調べるには?

Find Starlink」というサイトで国と都道府県名を入力すると、直近5日間でスターリンク衛星が見られる日時、方角、高度の一覧を表示することができます。
当日突然視認性が変わったり、直前で出現時間が数分変わったりすることもあるため、こまめに確認することをお勧めします。

以下のような内容が、視認性が良いもの(good visibility)、普通のもの(avagate visibility)、良くないもの(poor visibility)に分類されて、ロケット発射単位で複数表示されます。

表示内容の例説明
4:03 am, 23 Aug 2023出現日時
Starlink-92 (G5-15), DIM (3.0) for 3 mins打上番号(衛星投入エリア番号)、NEW(当日の新規打上のみ表示)、BLIGHT(鮮明)・DIM(不鮮明)、可視時間幅
Look from NORTH to EAST (details) 出現方角と消失方角
Elevation (from horizon): start: 52°, max: 61°, end: 10° 出現時の高度と最高高度と消失時の高度

スターリンク衛星が見られる場所は?

スターリンク衛星は、灯りがなく夜空が暗くなる場所ほどよく見えますが、視認性が「普通」以上の時は北斗七星と同じくらいの明るさなので、北斗七星が見られるくらいに空が暗くなる場所なら見ることができます。
また、少なくともスターリンク衛星が出現する方角が開けた場所から見ることで、しっかり見ることができます。

さらに、スターリンク衛星を見るには空が晴れていることが条件になります。
SCWのサイトでは30時間後までの雲の厚さの予測を地図上で確認できるので、参考にするとよいでしょう。

スターリンク衛星を見つけるには?

スターリンク衛星の出現時間の前に、スターリンク衛星が見られる場所に行ったら、スターリンク衛星を見るための準備をしましょう。

灯りを消して15分ほど目を暗闇にならしておくと衛星を見つけやすくなります。
夜空にはスターリンク衛星以外の衛星も結構飛び交っているので、スターリンク衛星が現れるまで、他の衛星を探して、どのあたりで地球の影に入って消えるかを予め確認するのも、目を暗闇に慣らすには良いかもしれません。
また、出現時間の少し前にスマホのアラームをセットしておく等しておけば、出現を見逃さずに済みます。

出現時間になったら、出現予定の方角と高度を頼りにスターリンク衛星を探します。
方角はスマホの方位磁石アプリを使うか、その時間に見える星座を目安にしてあたりをつけます。

高度は、北極星の高度は固定(東京から博多を結ぶラインはおおむね35度)なので、それより高いか低いかで目安がつけられると思います。また、最高高度が80~100度ぐらいのときは頭上を通り抜けていく感じになります。

日没後に見る場合は、短い飛行機雲のような白っぽい帯が見えてきたら、それがスターリンク衛星です。しばらくすると、一列に並んだ衛星の1つ1つが光る点の隊列として見えてきます。そして消える高度に達すると、地球の影に入って一つ一つ先頭から順番に消えていきます。

最後に

このようにスターリンク衛星(スターリンクトレイン)は、未来にわたって見ることのできるものではありません。
また、天文観察の邪魔になるため無反射塗装される(もうすでにされている?)との話もインターネット内で言われたりもしています。

小板まきばの里では、現在、天の川が見えるときなどの満天の星空のときに加え、このスターリンク衛星が見えるときに、星空観察会を行っています(注:当方の都合で開催しない場合もあります)。

わずか数分間ですが、今しばらくの間見ることのできる、この夜空に繰り広げられるの光のショーを一緒に楽しんでみませんか。

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