梅雨の期間は、一日の気温差が少なくなり、最低気温、最高気温も共に広島市より3~5℃低いくらいで推移します。高原のため、雲の中に入った形での霧雨も多くなり、下界よりかなり湿気が高くなります。ただし、梅雨の合間の晴れは、素晴らしく気持ちがよく、田んぼの稲穂が伸び始めことを皮切りに、一斉に元気づいた草が主役になり、一部の草花の開花が始まります。また、いい悪い含めて、虫たちの活動も活発化してきます。蝶などが飛び始めるのもこのころからとなります。

 そして、梅雨明け後、本格的な夏が到来します。気温はすでに説明しているので省略しますが、日中の暑さがつらいのは、盆前後2週間程度となります(とは言ってもその時の下界の温度は36℃越えのようになっており、下界よりはかなり涼しい)。それでも朝夕はかなり気温が下がりますので、避暑キャンプが楽しめます。芝生に生まれたてのバッタなどがピョンピョンと跳ね、オニヤンマやシオカラトンボが飛び交い始めます。トカゲやイモリなどの爬虫類や両生類などの活動も活発化します。耕作放棄地や里山の自然と共生している当施設において、キャンプ場の区画の少し周辺に行くだけでこのような動植物を楽しめることは、昔の里帰りの山里遊びができる子供たちにとっての特別な場所となります。

 隣接する見浦牧場の放牧が頻繁に行われるようになるのも夏です。当たり前といえば当たり前ですが、牛たちが食べる牧草がもっともよくのびているのがこの季節だからです。畜舎から集団で食べては少し移動しての繰り返しで、大規模林道から見れるところに来るまでに3~4時間、昼過ぎぐらいによく見れます。もちろんお牛様のことです、そこは気まぐれで、正午より前に来たり、夕方に来たりすることもあります。食べている姿はのぞかですが、何か拍子にびっくりして集団で走り出すと、バッファローの集団と同じような爆走となります。黒毛和牛が集団で爆走する迫力、そんな光景が見れる牧場はここぐらいしかないのではないでしょうか。それと、たまに子牛が牧草地から出て大規林道に脱走します。まだ小さいので柵の隙間から出てしまうのです。でも面白いのは、そこには食べ物がありません、結局、ほとんどの子牛は牧草地に戻っていきます。

 また、夏の新月の快晴の夜の小板集落は特別な世界になります。それは天の川です。変な言い方かもしれませんが、このころ小板集落は天の川がはっきりと見れるリアルプラネタリウムになります。天の川は1等星や2等星よりかなり暗く、街明かりが差し込むところで見ることは不可能です。富士山の西麓などは富士山のバックに首都圏の明かりがバックライトのように空を照らし、ほとんど天の川を見ることはできません。しかし、ここ小板は一番近い街明かりでも広島市、そしてその光を深入山がほとんどブロックします。そんな真っ暗な夜空が、なだらかな山麓に囲まれた小板集落の地形の上に広がります。南から北(北から南?)へと180°に近い円弧を頭の上に描いている天の川、一生の思い出になるかもしれません。