現在、小板まきばの里で販売している薪のほとんどは赤松の薪です。他から購入して販売しているものではありません。すべてキャンプ場を造成する過程で伐ったものです。キャンプ場予定地にたくさん生えていてキャンプ場を作るためには伐るしかありません。もう少し造成が進むとコナラなどを伐ることになりますが、当面、赤松が主流となります。そこで、赤松の薪の特徴とその特徴を生かした焚火についての述べたいと思います。

松明(たいまつ)の文字からもわかるように、昔から灯りに使われてきたのが赤松。それは他の木にはない赤松ならではの特徴があるからです。

薪には広葉樹、ナラ、クヌギなどが良いとよく言われます。実際、とあるホームセンターなどでは広葉樹を薪、針葉樹を焚きつけとして販売しています。しかし、薪に樹種は関係ありません。マツ、杉、ヒノキなどの針葉樹にはヤニが多く、火力が上がりすぎるなどと言われることがありますが、これは誤解です。針葉樹ももちろん薪として使用できます。十分に乾燥していれば、どんな樹種でも十分に薪として使うことができます。逆にどんな樹種でも乾燥していない薪を焚くと、十分な熱量が得られないだけでなく、そもそも燃えません。火が付くというより表面が炭化して煙がでるだけです。

木は樹種に関係なく、同じ重さの薪を燃やすとほぼ同じ熱量が出ます。でも、先ほど述べたように針葉樹は火力上がりすぎるといわれます。これは同じ体積で考えると妥当です。一般的に、広葉樹は重く針葉樹は軽いからです。そのため、同じ体積であれば、針葉樹のほうが早く燃えてなくなります。また、軽い分、木の中に空気が通りやすいため燃焼効率が高くなり火力が少し強くなります。それに比べると広葉樹の方がゆっくりじんわり燃えます。このことが広葉樹が薪に適しているといわれるゆえんになっているように思われます。ただし、その分、着火性が低いため、焚火を始めるときや、新たに薪を追加して継続させることにそれなりの経験が必要となります。

では、このように位置付けられる広葉樹や針葉樹の中で、針葉樹に分類される赤松はどのような位置づけにあるのでしょうか?

その特徴は概ね2つあります。一つは、針葉樹の中ではより重たいという特徴から他の針葉樹より広葉樹に近い特性を持つ、言い換えると、広葉樹と針葉樹の中間の特徴を持っているということです。もう一つは針葉樹や広葉樹といったステレオタイプの割り切り方ではない赤松独特の特徴です。

まず前者の広葉樹と針葉樹の中間の特徴ですが、それは火持ちの長さです。同じ体積であれば、杉やヒノキは広葉樹に比べあっという間に燃え尽きてしまいます。しかし、赤松は広葉樹ほどではないにしても杉やヒノキに比べて長時間燃えます。

そして後者の赤松独自の特徴ですが、一つは火のつきがよく炎が長く火力が強いということです。これは赤松に油分(発火性の樹脂)が多く含まれているために現れる特徴です。
さらに独自の特徴がもう一つあります。それは燠(おき)が少ないということです。燠(おき)とは薪が燃えたあとの炭の状態で残ったものを言います。燠の炎はくすぶっているため火力は弱く焚火の温度を下げますが、赤松はこの燠に邪魔されることなく焚火を継続できます。これは赤松に含まれる炭素が少ないことにより現れる特徴です。

これらの特徴を焚火としての観点でまとめると次のようになります。

  • 同じ体積であれば、広葉樹と針葉樹の中間ぐらいの火持ちがする。
  • 炎が明るく綺麗(炎が長い)
  • 直ぐに着火する
  • ほとんどが灰になって燃え尽きる(燠が少ない)

このため、次のような使い方が適していると考えられます。

  • 焚火の最初に使い、焚火の温度を上げる。
  • 焚火の炎を見て楽しむ(長いきれいな炎が出る。松明=赤松の歴史が証明している)
  • キャンプ場退場の日の朝の焚火に使う(燠が残らないため後始末が楽。それまで使っていた広葉樹の燠を赤松で燃やし切る。)

また、料理で焚火を使いうときは、やはり、ゆっくりじんわり燃える広葉樹が良いですね、しかし、広葉樹はその着火性の悪さから、新たに薪を焚火に投入すると焚火の温度を下げて、焚火を燠だらけにしてしまうことがあります。焚火初心者の方などは、このことを避けるために焚火台の上の薪の位置を頻繁に変えたりしますが、そのたびに火の粉が飛び散り服に穴を開けたり、地面に灰や燠をまき散らしがちです。そんな時は次のような使い方があります。

  • 燃やしている広葉樹の間に焚きつけほどの大きさに割った赤松を差し込むことにより、焚火の温度を下げることなく広葉樹のじんわりじっくりした燃え方を継続させることができる。

こちらに、陶業家の赤松の焚火を述べたページがあります。なかなか面白い内容です。焚火=広葉樹 一辺倒の考え方が少し変わるかもしれませんね。結局、適材適所の使い分けというところでしょうか。

最後に、番外編の使い方を一つ。それは小さなお子様の焚火に薪をくべることの体験です。広葉樹は新たな薪をくべてもなかなか着火しませんが、赤松はすぐに着火します。このため、大人より飽き性な子供でも退屈せずに薪をくべることができます。親御さんの見ているところで、というのは大前提ですが、子供が火というものを直接体験できる良いチャンスを作ることができるかもしれません。