真夜中は、星空の一言に尽きます。確かに、天の川が最もはっきり見えるのは夏です。

 しかし、満天の星空は、新月の頃を中心に毎月現れます。特に冬は空気が澄んで、星々の輝きは夏の比ではありません。雪に音が吸収されてシンと冷たく静まりかえった真夜中、焚火や薪ストーブ越しに見える、研ぎ澄まされた星空は圧巻です。さらに温まった身体を焚火や薪ストーブから離して、小板橋まで足をのばすと、夏よりも鋭く明るく輝く満天の星空がそこに広がっています。

 そして圧巻は、街でも比較的見ることができる南の空に輝くオリオン座です。この冬を代表する星座が東の水平に近い山の稜線から横に寝た形で現れます。そして夜明け近くになると、逆向きに寝て沈んでいきます。街中では決して見れない地平線近くの横に寝たオリオン座を雪景色の中で見る、そんな天の川を見るのとはまた違う、冬ならではの星空を楽しむことができます。

 あと、先ほど「星空の一言」と言っておきながら、もう一つ素敵なものがあります。それは満月です。小板集落で見れる満月は、気のせいか街で見る満月より大きく見えます。普段真っ暗な小板集落を、それがまるで巨大な街灯のようになって照らします。ライトが無くても道を歩くには十分な明るさとなります。
 秋になると、耕作放棄地がススキ野原となります。その中に藁ぶき屋根の古民家があります。これに満月が揃うとどうでしょう、おとぎ話の世界がそこに現れます。