雪中キャンプにとっての積雪とは

街での生活とは異なり、キャンプでは地面というものを最低限理解する必要があります。その理解はペグを刺すときや、焚火との関係、さらには雨の日のタープの下の足元の対処などに生かされます。
粗っぽく地面の種類を分類すると

  • 整備された地面/整備されていない地面
  • 芝や草の地面/土の地面
  • 砂利などの無機物でできた地面/腐葉土などの有機物でできた地面

などの分類ができます。これらの違いによりキャンプでの地面との付き合い方が変わります。詳しい説明は今回の主題ではないので割愛しますが、積雪でもキャンプの視点で見ると同じように分類できます。それは

  • 硬い雪/柔らかい雪
  • 重い雪(湿った雪)/軽い雪(乾いた雪)
  • 多い積雪/少ない積雪

などです。

以下、これらのことについて書きます。

1.硬い雪/柔らかい雪

 硬い雪は氷または限りなく氷に近くなった雪です。積もった雪の表面が解けた後、気温が下がると固く凍った雪になります。また車のタイヤに何度も踏まれる等して押し固められた雪も硬い雪になります。硬い雪の上を歩くと、足は雪の中にめり込みませんが滑ります。ペグは氷に刺すのと同じ状態に近づきます。柔らかい雪は、新雪または解けかけた雪です。柔らかく、歩くと足が雪の中にめり込みます。ペグを差してもすぐに抜けます。降ったばかりの新雪は新たに積もった部分全体が柔らかく底のほうまで足がめり込んでしまいます。積もった雪は時間の経過とともに自分の重さで締まっていき、体積が減ると同時に下の方は氷の粒のような重く硬い雪に変わっていきます。そのため積雪の深さは新雪が降らない限り解けなくても減っていきます。

2. 重い雪(湿った)と軽い雪(乾いた雪)

 重い雪は気温が高いときに降る、結晶の粒が大きく水分を多く含んだ雪です。雪を握ると塊になるので雪玉や雪ダルマづくりに適しています。新雪の時はみるみる積もっていきますが、重みでしまってすぐに積雪量が目減りします。水分が多いので気温が低くなるとテントや木の枝に接している部分が氷になり、着雪しやすくなります。軽い雪は気温が低いときに降る、結晶の粒が小さくメリケン粉のようにさらさらした雪です。雪を握っても塊にならず、重い雪に比べ着雪しにくいのが特徴です。

3. 多い(深い)積雪と少ない(薄い)積雪

多い積雪は単純です。その表面は硬い雪か柔らかい雪の状態しかありません。固ければ靴で歩けますが、柔らかければスノーシュー等で雪の中に沈みこまないようにして歩く必要があるだけです。気を付けないといけないのは雪の下に何が隠れているかということに注意を払うことだけです。

問題は少ない(薄い)積雪です。少ない積雪の状態は複雑です。気温の変化により短時間で特性が大きく変化します。新雪が降った直後は柔らかい雪です。しかし、日中など気温が0℃以上になると解けた水を含んだ雪になります。さらに解けて水たまりやぬかるみができたりします。そして夜など0℃以下になるとそれが氷になります、アイスバーンです。人や車が頻繁に通るところは圧雪特に雪が溶けやすくアイスバーンになりやすいので滑るということに対する備えが必要になります。

まとめ

まとめると、積雪時の地表は、雪、氷、雨が降っているのと同じように濡れている、の三つの状態があり、天候や一日の寒暖差の中で、その三つの間を変遷します。また、その変遷は天候や一日の寒暖差のような自然条件の変化だけではなく、焚火やテントの中の暖房や踏む歩くといった人為的影響によっても起こります。

雪中キャンプをするにあたって、このような雪の状態にどのように対処すればよいか、またどのように変化するかを予測して先手を打つか、ということを知ることが重要となります。

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